愛媛県今治市菊間「瓦のふるさと公園」でバラの色と香りに浸る、静かな時間を過ごしました
「瓦のふるさと公園」は、鎌倉時代からの歴史をもち、明治の皇居造営で「御用瓦」として名を広めた菊間瓦のすごみにふれることができる施設「かわら館」が建つ公園。
子どもが思いっきり走り回れる、山肌を利用した大規模なアスレチック遊具(おしりのかゆくなる長い滑り台含め)のほか、家族や友人と憩えるピクニックスペース、静かなひとり時間も楽しめる遊歩道などもあります。
●瓦のふるさと公園(かわら館)
〒799-2303 愛媛県今治市菊間町浜3067
詳細→菊間町窯業協同組合ホームページ
そしてここには、しばし時を忘れて過ごせるバラ園もあります。
バラの彩りと香りの中、マイペースでじっくり見て回るのにほどよい規模で、静かに語らいながら散策を楽しむ人たちの気配にも、なんだか癒されるのです。
激しい気温差が続いた季節の変わり目、気分も体調もイマイチなとき、バラの世界にどっぷりひたって癒されたい!
そんな欲求にこたえてくれた、バラたち。
まずは、あざやかなピンク色のバラ。世界平和を祈って名付けられ、20世紀の傑作と称えられる「ピース」の子孫「ピンクピース」(作出国:フランス)。

戦争のニュースは、たとえ他の国の出来事であっても、不安や悲しみがかきたてられますね……
「ピース」は第二次世界大戦の終結とともに誕生した、平和への祈りを託された花。
この「ピンクピース」もまた育種家本人から「ピース」の名前を与えらえました。
最近の世界情勢、そして近づく終戦記念日に向かうにつれ、心のどこかで晴れない思いが募るこの6月。世界中で多くの人に愛される”平和の花”に、なぐさめられような気分になりました。
つぎに目に入ってきたのが、赤と白のあでやかなバラ「ノスタルジー」(作出国:ドイツ)。
なんだかストーリー性をもったような花姿。「ノスタルジー」という名前と相まって、昔愛した人、ペット、ものなどにまつわる”物語”が、この花から立ち上ってきそう。

こちらは、夏の開放的な雰囲気、陽気さがにじむような「サマードリーム」(作出国:アメリカ)。
さあ、目いっぱい楽しもう!と元気をくれます。
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そしてフリルのドレスの裾をひいた、「スパニッシュダンサー」(作出国:スペイン」。
空間にとけこむというよりは、浮き上がってくるような存在感は、まさにダンサーの放つオーラと魅力。

「そどおり姫」(作出国:日本)は、日本の有名な育種家により誕生したバラ。
「衣通姫(そとおりひめ)」は、日本書記に記された絶世の美女、日本三大美人(本朝三大美人)のひとりで、和歌の三神の一柱。
梅雨の曇り空の下で、いっそう透明感のある輝きが目を惹きます。

「エレガント・レディ」(作出国:アメリカ)の旧名は、「ダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ」。
気高い美しさのなかに、愛らしさも垣間見られるプリンセス。ぜひお庭に迎えたい……

クリーム色から赤に変わる花色の美しさと香り、二重の喜びを与えてくれる「ダブル・デライト」(作出国:アメリカ)。
世界バラ会議で3年に一度選出される、バラの殿堂入りを果たした名花のひとつです。ちなみに、初の殿堂入りをしたバラは、冒頭の「ピンクピース」の祖先である「ピース」。
見ていると笑顔になれる、辺りを照らすような、喜びにあふれたバラ。

こちらは「女神」(作出国:日本)。上品で可憐。アフロディーテの誕生をおもわせるようなつぼみ。
それにしても、バラの名前を見ていると、本当に愛されている花だなぁ、と改めて思います。人々の「憧れ」が込められているような……。

あとは、名前を控え忘れたので、また来年のお楽しみにしようっと。




長い歴史のなかで自然のもつ色や造形のパワーをその花姿で表現してきたバラ。
心も体調も整えられてしまう美しさにうっとりな、6月の第一土曜日でした。